artenarra講座2019(2期)6日目レポート

artenarra講座2019(2期)6日目レポート

6月9日(日)@IID世田谷ものづくり学校 Studio お天気/くもり

今日でいよいよ講座も折り返し地点。

まずは本番当日の大まかな流れの説明と共に、改めて「artenarra」の趣旨などを
「草ちゃん」ことarternarra主宰の竹丸草子と「宏平さん」こと講師の山田宏平さん
から受講生に向けて伝えるところからスタートです。

どんな作品が創られるか、未だ一つも明らかにはなってませんが、残りの講座のうち
「あと3回」で創り上げていく事だけがこの時に発表されました。

それを聞いた時の受講生の皆さんからは『驚き』よりも『覚悟』みたいなものを感じました。

以下、この時伝えられた他の内容を、私のメモから抜粋…

  • artenarra講座は作品創りがメインではなく学びの中に作品創りがある。
  • 組んだパフォーマンスチームのチームメイトの良さを楽しんで欲しい(誰かに従って良いものを創る事が目的ではない)。
  • 講座で培った経験を、今後皆さんがそれぞれの活躍する場に戻った時に活かして欲しい。
  • 色んなものや人を排除せずに与えられた環境を活かす。
  • 訳のわからない時もそこに足を踏み入れることをやってみよう、そこから自分を知っていこう。

 

「かたる」「かたよる」「かたどる」

今日最初のワークは「数を数える」です。
その名の通り部屋の中の数えられる物を、手当り次第に数えていきます。

 

 

換気扇、コンセント、イス、座布団、、、

気づいた物の数をただ数えます。
そうする事でその場をより知ることができ、そしてその場とより仲良くなることができるのです。
さらに数を数えていきます。次はそこに「主観」を入れて…。
どういう事かと言うと、先程は確実に数が合う物を数えたのに対して、ここでは「自分の主観」で
物を見てその数を数える。

皆さんが数えた物の一例をお伝えすると。
「オシャレっぽい物」、「日本ぽい物」、「正方形」、「空かない引き戸」(後に空けられますが)、「地震がきたら危なそうな物」、「分岐点」、「怪しい物」…などなど。
これらの数はみんな共通し難いものだらけ。
ですが、そこにはその人だけの数が存在してます。
これらのエッセンスは「語り」にどんな効果があるのでしょう?

講師の宏平さん曰く、
「かたる」この言葉の音を頼りに「語る」を見た時、「かたどる」や「かたより」は何か糸口になると思われる。
「かたどる」とは、その人の思考をかたどる、そうする事でぼんやりしてたものが輪郭を持つ。
「かたより」とは、その人ならでは、その人だからこその視点が存在する。
語り手も受け取り手も、その「偏り」に面白さがある。
人の「カタドリ」を味わってみる。
という意図があるそうです。

ここのワークから皆さんが今以上に「かたどられ」一人一人の「かたより」が見えたように感じました。

「語りの楽譜」

一昔前に流行ったとある曲。12分越えのシングル曲。
この歌詞がプリントされた用紙が配られます。

 

紙に印刷されたその歌詞からは、温度も何も感じません。ただ文字が並べられてるだけ…。
先ずは宏平さんがそれをそのまま読みます。…が、、全く内容が入ってきません。
うっかり眠くなるほどです…。
この素材をどうしたら面白くなるのか??
さぁ、ここからはこの素材使って皆さんが料理をする番、台本作りの始まりです!

この曲は6番まであるのですが、それぞれが一番気に入った場面を使って、実際に言葉が書かれた紙を切って、貼ってを繰り返します

 

 

挿絵をいれる人、行間をたっぷり作るひと、縦長に文字を並べる人、言葉を付け足す人、カットする人…。
皆さんの創作意欲がスパークし、もくもくと無言で作業をしていました。
決して十分な時間ではなかったにも関わらず、皆さんとても個性が溢れる「語りの楽譜」が完成!

 

 

それぞれの「語りの楽譜」を見た瞬間、それを語らずとも紡ぎ出した言葉達には生命力のようなものを感じました。
見てるだけでは、いてもたっても居られなくなった私は、皆さんの楽譜を声に出して読んでみました。
楽譜に忠実に行間や余白をそのままに、言葉の羅列をそのままにただ読んでるだけなのに、気持ちが動いて胸が熱くなってしまうほど。

一人一人の「語りの楽譜」が出来上がりました。
グループに分かれて、それぞれ自分の楽譜を解説し合います。
そこに込められた作者の真意を聞くことで、益々その楽譜の魅力が浮き彫りになっていくのです。
今度はグループの中で一つの作品を選び、それをみんなの前で発表です。
どのグループも揉めることなく、すぐに題材にする作品が決定した様子。

数分間の練習の後、グループで「語りの楽譜」を演じてみます。
いよいよ発表です。

 

 

四者様の発表

示し合わせたわけではないのに、どのチームも似たものはなく、
それぞれの色が存分に発揮されてました。

【開放チーム】

【まっすぐチーム】

 

【語りかけるチーム】

 

【アレンジチーム】

この後、それぞれ違うグループ同士でシェアをしたのですが皆さんの弾む声から、
今日のこの一連の作業がどれだけ有意義だったのかが伺えました。

 

 

一輪の大きな花が咲く場所で。

 

最後に草ちゃんから一言。

「この部屋から外を見た時にとても大きな一輪の花が咲いてることに気づきました。」

窓の外には、大きな木に一輪の大きな花が咲いています。

「蕾もたくさん見えてます。これからたくさんの花が咲きそう。
これから皆さんたちが、こんな大きな花がたくさん咲く場所で様々な体験が出来ることを素晴らしく思います。
もっと悩んだりするかもしれないけど、何があっても大丈夫。ずっと見ていますので思い切り悩んでください。
今まで経験してきた学び方とは少し違うかもしれませんが、この学びをぜひ楽しんでください。
探求しながら、自分の答えを見つけてくださいね。」

 

さぁ、ついにあの宿題が出されましたよ!
これを読んでる1期の方はもうお分かりですね。
そう【桃太郎を語る】です。
あるシーンを抜粋するのもよし。
鬼の立場になるのもよし。
桃が流れてくる川を語るもよし。
…どんな桃太郎が繰り広げられるか。
今から楽しみですね。

written by アイン

 

投稿者について

team artenarra

レッジョ・エミリア、レッジョ・ナラの理念に共感し、日本での読み語り・総合芸術のイベント『artenarra』を開催するプロジェクトチームです。